戦争という空気 理性を負かす雰囲気

「空気」の研究 (文春文庫 (306‐3))

「空気」の研究 (文春文庫 (306‐3))

NHKの戦争物でいろいろ書かれていたので、私の知っている話を追加。

余談だが、これらの発言は戦後間もなく資料的な制約もあるなかで丸山眞男が描き出した「軍国支配者の精神形態」を地でいくものであり、東京裁判における被告たちの弁明が単なる法廷戦術ではなく、主観的真実にまで達した自己欺瞞であったことを伺わせる。

日本人はなぜ戦争へと向かったのか」第1回、第2回を見て(追記あり)

少なくとも上層部の「無責任な」発言は本当だと思われる。当時の状況を良く表してる。これで戦争に行かされ餓死した日本人はたまったもんじゃないが、集団自殺的な行動が日本なのである。そして日本人組織における欠点が最悪の形として表れてしまったのが軍隊および行政組織。他の日本的組織なら同じことがあるはず。長渕剛が主題歌を提供した映画男たちの大和もそのあたりを描いていたはず。渡哲也が怒っていた場面は、航空戦力の護衛無しに戦艦大和を出すこと。軍事的には最悪手らしい。らしいとは軍事知識が無いため評価できないからである。

男たちの大和 / YAMATO [DVD]

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以下の本の表題が示すように、日本ではなく日本人がというのがポイントである。

それでも、日本人は「戦争」を選んだ

それでも、日本人は「戦争」を選んだ

行政組織は良くも悪くも国民が全員関わってしまい、創業150年の伝統企業である。そして記録が残っているので批判の対象として素質を備えてしまっている。官僚というと行政と思われるが、大きな組織なら官僚は、正確に言うと官僚制を引いている。そして官民とも欠点を持っている(官僚制の弊害)。

当事者意識なんてないんだよね。これはこれで問題だが、今も残る悪い癖である。上層部はほとんど戦争に反対していたのは夏の敗戦で詳しく書いてある。上層部と言うより日本のエリート達の戦争シミュレーションのお話。

読んでおくと理解がすすむ書籍

昭和16年夏の敗戦 (中公文庫)

昭和16年夏の敗戦 (中公文庫)

なんかつらつら書いていたら次回の特集が空気とな。わかってらっしゃるNHK
第3回 "空気"に動かされた国家(仮)
追記
孫引きで申し訳ない。

日本ではあらゆることが必然的に起こるのです。日本人は大勢、時勢、時節、空気によって動く。自由意思によって動かせられる余地は通常は限られています。
http://d.hatena.ne.jp/shavetail1/20101031