お金より時間
最近の売れない理由は買うまで中身がわからないから。情報化の波で効率化が進み確実に楽しめる物にしか時間を使わないようになった。見る前のわくわく感より、自分の思ったとおりの世界がそこに広がっているか。
ただで配っても良いくらい。お金より時間の方が価値が高くなっている。無料で放送される地上波のアニメはDVDの宣伝になっている。それでも見ない人がいる。みな時間が貴重なのだ。ただでも要らない物は要らないのである。
映画紹介でそこまで見せて良いのという意見がある。しかし映画を見るというのはかなりの時間を消費してしまう。時間を消費するに耐えうるものかどうかを判断されている。ここは確実に面白ということがわからない限り人は動かない。これが高度情報社会である。
キュレーターという言葉を誰かが流行らそうとしているが、これは判断を誰かに任せることである。しかもその人はお金と時間を消費して、なおかつブログ等に書くという労働までただで行っている。ネット上に出来た関心は同じ匂いのする人を適度に輪の中に入れてまとめてくれる。アマゾンのおすすめも膨大な他者のデータからあなたにあったものを提示する。だから、あつらえたようにぴったりの商品が自動で出てくる。
ブログは過去の履歴、行状がわかる。人は人となりを信用して買うのである。芸能人のお薦めが駄目な理由は、裏で金をもらっているだろうと思われているからである。それがわからない豚は狼に食われるしかない。
キュレーションの時代 「つながり」の情報革命が始まる (ちくま新書)
- 作者: 佐々木俊尚
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2011/02/09
- メディア: 新書
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