ようやく表面化した世代格差論

ずっと前から言われていたことがようやく紙面に載った。これを世代会計と言う。
http://www.sankeibiz.jp/macro/news/111016/mcb1110161951003-n1.htm
この記事によると試算はこうだ。

国際コンサルタント会社プライスウォーターハウスクーパース(PwC)が最近、英国の「1963年生まれ」と「93年生まれ」の世代の所得を比較したところ、65歳の時点で93年生まれは25%、金額にして40万ポンド(約4900万円)も63年生まれより貧しくなるという結果が出た。

日本も同じ状況である。税金と年金と医療保険を1億円払って戻しは7000万と言われている。つまりマイナス。60歳以上は収支が黒字。50代は中立で40代以下からマイナスの計算になる。

年金改革も本質はこれに近い。若い人から取り上げて老人世代に振り向ける。ただいくらでも取り上げることはできないので、支給開始年齢を引き上げて調整する。瓶の水は変わらないから出口で調整する。他に支給の金額を引き下げるというのがあるがこれは世論の受けが悪い。人間は80前後まで生きるので、維持を国是とするなら支給年齢がこのあたりまであがる可能性がある。

医療費も同じで、65歳以上はそれ以下の年齢と比べて医療費を4倍くらい使う。人口比で考えると恐ろしい。

よく厚生労働省がやり玉に挙がるが、あれ以外の方法はないと思う。制度維持を前提とする以上、どこかに無理がかかる。医者も数を増やしたら医療費で国が破産する(予算の25%が社会保障関係費)。省としての限界を超えて要求できない。あとは国民と政治家の判断です。

おすすめの一冊。アフィはやっていないのではてなにお金が落ちるのかな?

孫は祖父より1億円損をする 世代会計が示す格差・日本 (朝日新書)

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世代間格差: 人口減少社会を問いなおす (ちくま新書)

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