副題:無駄な議論がのさばるわけ
業界内部にいないと前提となる知識を間違う。間違った知識で議論をしても当たらない。内部の人から見るとおかしいのだが、間違った話の方がうけるので正のフィードバックがかかる。馬鹿にターボがかかるわけでだ。
編集の人が見た電子書籍でも
編集者の日々の泡:小学館、集英社、講談社が電子書籍でアマゾンと組みそうな「ワケ」 ――appendix「ソーシャルストリームから反響拾ってみました」編
「既得権益を守る悪玉としての出版社」「電子書籍を普及させたくない出版社」とかいう悪意ある見方は多いのかも。実態を知らず、ネットでその手の情報ばかり取り入れて偏見を強化してる人じゃないかな多分。
赤字引用者
漫画家が実売数十万部(漫画では少ない方かな?)でも電子書籍は一桁とある漫画でネタにしていた。
こういった議論に数字がでないと話にならない。かといって数字が出るとそれが一人歩きをする。非常に難しいことである。数字が無くとも実感という経験値はなかなか出てこない。それこそ匿名ダイアリーあたりが拾ってくれるといいのだけど、真偽判定が難しい。実名だと御用学者認定が待っている。既得権にあぐらをかく悪者と言われたくないから表では言わない。ますます嘘の情報に国民が流される。この悪循環は終わらない。終わるときはその業界なり産業なりが終わったときだ。高級SNSが流行ればいいのだがないでしょうね。
出版業界に限らず「中の人」から見ると「なんで」というこの種の見方は、だいたいあほらしいので放置しがち。しかしこれだけネットで流動的な情報が流れるわけで、どの業界もあほらしくとも「うちはこう考え行動してます」って旗印をしっかり出さないと、耳ざわりのいい陰謀論に負けちゃうのかも。
無理だと思う。リスクをとっても見返りがあまりないから。それはそれで新たな火種を呼び込む。
出版業は資産が人だけです。印刷や製本・流通といったインフラはもともと外注だし。だからこそ見城さんは角川辞めても「あふるる編集者力」で幻冬舎興して大成功できたわけで。
公務員や教師もこの種類になる。公務員が役に立っているかと言えば現実として成果が見えない。でも給料削減で質の低下が起こると怖い。「お金は嘘をつかない」と言った人がいるけどそれは本当だと思う。頭が良ければわざわざ低賃金の公職に行くわけないからね。議員の世襲が進んでいるのも参入コストとリターンの問題だと思う。そこに国のためとか根性論を出されると議論にならない。世界は数字で解釈する。
- 作者: 岩田宗之
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2007/10
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