geopoliticsさんの日記(無回転思考)

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地方(自治)の暴走をどう防ぐかという視点

http://www.47news.jp/CN/201205/CN2012050401001052.html
これにかみついたのが情報処理の専門家。
高木浩光先生@HiromitsuTakagiの「Ustream 平成24年度武雄市記者会見 「図書カードをTポイントカードに全部置き換え」」 #takeolibrary - Togetter
Tポイントカードはマーケティングに利用されている。
図書館の貸し出し履歴は思想調査に使える。
Tポイントの会員データ分析から企業は何を知るのか - ZDNet Japan
【武雄市図書館】CCC に対して保有個人情報開示の問い合わせをしたら(その1) - Togetter
橋下市長と文科省が揉めた*1のも地方の暴走を中央政府(法律)がどう防ぐかという視点でみるとわかる気がする。ブックオフの品揃えを見れば地元の知的レベルがわかるそうですが、手間がかかるのでIT革命らしくない。図書館データがとれるなら、「お金を出して買わない人」の嗜好という貴重なデータ(POSに上がってい来ないデータ)が手に入ります。

高木浩光@自宅の日記 - 武雄市長、会見で怒り露に「なんでこれが個人情報なんだ!」と吐き捨て

CCC(ツタヤの会社)の方はかなり気を遣って、これから考えていきますというかなり出来た人が対応しているという評価です。
半導体コストの下落とともに可能となったビッグデータ*2の時代に公共機関のデータに目をつけたCCCの商才はすばらしい。趣味嗜好を広告(マーケティング)に結びつけるので図書館履歴は大変便利だろうことは予測できる。
残念ですが地方自治は思った以上に認識レベルが低いです。高木氏の懸念は当然考慮すべきことです。何かと文句を言われる霞ヶ関ですが、まだまともだと思います。市長は便利と思ったようですが、個人情報(グーグル、フェイスブック、アマゾンなどが膨大な個人の嗜好を収集している)を個人がどう管理するかというのが問題(情報のコントロール権?*3)となっている現在、この認識はいささか周回遅れだと思います。
グーグル事件の波紋、巨人が示した“教訓” | 日経 xTECH(クロステック)
http://news.nicovideo.jp/watch/nw386834
CCC「Tポイント」事業を分社化、新会社設立 -INTERNET Watch Watch

閉じこもるインターネット――グーグル・パーソナライズ・民主主義

閉じこもるインターネット――グーグル・パーソナライズ・民主主義

今ある制度や不文律としてあるものの歴史的経緯を無視してことを進めることを改革とか決断と称して進めるのは拙速かと思います。残念ですが一首長がどうこうできるほど図書館は専門性が低い訳ではなく、どんなに民意を受けていても専門職の話は聞くべきと思います。独裁制が強い組織は周囲にイエスマンが揃い、諫言する人がいなくなってしまいます。
ただ今回の件は専門家でなくともググれば出てくる案件です。

図書館の自由に関する宣言 - Wikipedia
戦前に思想善導機関として機能した図書館の歴史を反省し、1954年(昭和29年)に打ち出された。

図書館の自由に関する宣言
第3 図書館は利用者の秘密を守る

1 読者が何を読むかはその人のプライバシーに属することであり、図書館は、利用者の読書事実を外部に漏らさない。ただし、憲法第35条にもとづく令状を確認した場合は例外とする。
2 図書館は、読書記録以外の図書館の利用事実に関しても、利用者のプライバシーを侵さない。
3 利用者の読書事実、利用事実は、図書館が業務上知り得た秘密であって、図書館活動に従事するすべての人びとは、この秘密を守らなければならない。

図書館員の倫理綱領
第3 図書館員は利用者の秘密を漏らさない。

図書館員は、国民の読書の自由を保障するために、資料や施設の提供を通じて知りえた利用者の個人名や資料名等をさまざまな圧力や干渉に屈して明かしたり、または不注意に漏らすなど、利用者のプライバシーを侵す行為をしてはならない。このことは、図書館活動に従事するすべての人びとに課せられた責務である。

図書館の自由に近い存在として報道関係者には常識である「取材源の秘匿」という職業上の倫理規定でしょうか。いわゆる報道の自由の一つとしてあります。
報道の自由 - Wikipedia

地方公務員法守秘義務との関係も気になります。

守秘義務 - Wikipedia
地方公務員法 第34条
第1項 「職員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、また、同様とする。」と定められている。違反者は最高1年の懲役又は最高3万円の罰金に処せられる。

こういった市長を頭に据えた行政組織の職員に対してはご愁傷様としか言えないのであります。民意ってなんですかね。
題名を「拝啓素人様」としようか「素人の思いつき、専門家の袋小路」としようか迷いました。今ある形はそれなりの歴史的経緯があるので、素人はそこを無視してすばらしいあいであを語るし、専門家は経緯に縛られてしまう。無知が一番強いですね。
日本図書館協会
Video Privacy Protection Act - Wikipedia
はてなブックマーク - asahi.com(朝日新聞社):全国14自治体で図書館の個人情報流出 公表1市だけ - 社会

今後、佐賀県武雄市では『権利のための闘争』は借りられない。

図書館法
第3条 図書館は、図書館奉仕のため、土地の事情及び一般公衆の希望に沿い、更に学校教育を援助し、及び家庭教育の向上に資することとなるように留意し、おおむね次に掲げる事項の実施に努めなければならない。
1.郷土資料、地方行政資料、美術品、レコード及びフィルムの収集にも十分留意して、図書、記録、視聴覚教育の資料その他必要な資料(電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られた記録をいう。)を含む。以下「図書館資料」という。)を収集し、一般公衆の利用に供すること。
2.図書館資料の分類排列を適切にし、及びその目録を整備すること。

日本十進分類法 - Wikipedia
国際十進分類法 - Wikipedia

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揉めたのは教育基本条例。
http://www.asahi.com/national/update/1207/OSK201112070047.html
ちなみにタバコ(taspo(タスポ))は官憲に情報を売り渡していました。
タスポ情報を任意提供=日本たばこ協会、捜査当局に: ほろ酔い気分で
暴走する地方自治の例
はてなブックマーク - 「子どもに冷房不要」 所沢市長が補助辞退


追記
武雄市図書館は市長所管ではない - 一本足の蛸
権限は無いけど市長が決めて議会が議決したんだから従え(民意だ)と言って所管(教育委員会)に圧力をかける方式かな。権限が無くともやらせる方法の一形態。それにしても法律は良くできている。暴走防止のため色々な安全弁をつけている。
市長は権限ありとみているようです。
図書館貸出情報の扱い、ご安心ください! : 樋渡啓祐物語(2005年5月ー2015年2月)
T会員規約およびポイントサービス利用規約|Tサイト[Tポイント/Tカード]
高木浩光@自宅の日記 - 「個人情報」定義の弊害、とうとう地方公共団体にまで
この件は気持ち悪くてあまり追いかけていなかったのだが、市長の認識がどこからなのかがわかった。地方の先進的な取り組みを邪魔する国の機関という認識のようだ。なら法律論で武装するのもわかる。行政は法律で動いているから。たまに原発を法の外で止めさせる行政庁のトップもいましたが。

もし現役首長が「知り合いのスーパーハカーが黙ってないぞ」と言いだしたら - conflict error

ところが本人にとっては「(国の組織に)パワーゲームが仕掛けられた」としか理解してないから、同じ土俵で戦ってるつもりなのだろう。それどころか「強大な国 vs 小さな自治体」という脳内対立になっていて、「自分はむしろ弱者である」という感覚すらあるのかもしれない。

【TSUTAYA図書館問題】Facebook市長がセキュリティ研究者に「公開討論を」「お背中流しまーす」と誘うも断られ「卑怯だ」と怒る | ガジェット通信 GetNews
樋渡啓祐武雄市長、佐賀新聞に対し「馬鹿な社説、新聞は売れなくなる」#takeolibrary - Togetter
http://www.saga-s.co.jp/news/ronsetu.0.2208678.article.html
佐賀新聞に対する反論。読みにくいのは相変わらず。
今朝の佐賀新聞論説に反論 : 樋渡啓祐物語(2005年5月ー2015年2月)
新たにわかったこと。
既存とTポイントの選択制を考えている。
相変わらず図書館の「自治」(図書館の自由)が気に入らない。法律論に終始して歴史的経緯、つまり過去の行為における反省に敬意を払わない。
武雄新図書館構想のTポイントカードが選択制に? - Togetter

http://www.saga-s.co.jp/news/saga.0.2204442.article.html
樋渡市長は、履歴を残すかどうかを選択できる2種のTカードを用意できるよう、CCCと協議する考え。

これ運用コストが単純に増えやしないか。システムの一部を内部的に変えるだけだからコストは二倍とはならないと思うが、本当に匿名としているかどうかを確認する方法はあるのだろうか。つまり「手違い」で実はTポイントに匿名情報が流れていたという事件が起こりそう。安全性のためネットにつながる端末とクローズドな端末という物理的に切り分けられた二つの端末を用意しているところがある。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/saga/news/20120521-OYT8T01451.htm
計画では、来年4月からTSUTAYAの運営会社「カルチュア・コンビニエンス・クラブ」(CCC)を指定管理者として、年中無休で開館。

実質CCCに決まっているよね。決まってないと強弁していたけど。元官僚として「決定」の意味は「議会での可決」をさすのかな。
プライバシーとは別に行政上の問題点。
【武雄市図書館】指定管理者/随意契約の謎 #takeolibrary - Togetter

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20120526-OYT1T00457.htm
こうした履歴の活用は、図書館では長年タブーとされてきた。全国の図書館2357館が加盟する日本図書館協会の「図書館の自由に関する宣言」(1979年改訂)では、「何を読むかはその人のプライバシー」と定め、ほとんどの図書館では本の返却後すぐ履歴を消去してきた。国立国会図書館の場合、閲覧・複写の申請データを1か月後に消去する。

はてなブックマーク - 高木浩光@自宅の日記 - 武雄市長、会見で怒り露に「なんでこれが個人情報なんだ!」と吐き捨て
図書館履歴を犯罪捜査に使ったフィクション。
「相棒」「セブン」
相棒は欠番扱いになったらしい。
ちなみに他のテレビドラマでも

連続ドラマ「ストロベリーナイト」第4話「過ぎた正義(前編)」(1月31日放送)ネタバレ批評(レビュー): ミステリ通信 創刊号
ただ、気になるのは菊田が図書館で吾妻の貸出履歴を入手していたこと。
図書館の自由に関する宣言」で貸出履歴は保護されていたような……捜査機関でも入手は難しかった筈。
たしか、ドラマ「相棒」でも同様の理由で欠番となった作品があったと記憶しています。
ここらは大丈夫なのでしょうか?

Season3第7話「夢を喰う女」のようです。
20041208相棒「夢を喰う女」 - 図書館映画とテレビ番組
武雄市の新・図書館構想について
日本図書館協会の見解・意見・要望

武雄市MY図書館の顛末 - Togetter
http://fmcent.exblog.jp/16000462/
全体像が少なくとも部外者には見えてこないからよくわらないままになっている。

http://www.asahi.com/national/update/0717/NGY201207160032.html
4千万人以上が利用する日本最大の共通ポイントサービス「Tポイント」が、ドラッグストアで会員が買った医薬品の商品名をデータとして取得し、会員に十分な説明をしないまま販促活動などに使っていることがわかった。

まとめよう、あつまろう - Togetter
Twitter、主要ブラウザでの「Do Not Track」サポートを発表 - ITmedia NEWS
PASMO、ウェブでの履歴照会サービス、再開を断念 -INTERNET Watch Watch
『Tポイントツールバー』はお持ちですか?高木浩光先生の怒涛のRTで知るその問題点 - NAVER まとめ
http://mainichi.jp/area/saga/news/20120707ddlk41010528000c.html
http://mainichi.jp/select/news/20120815k0000m040016000c.html

武雄市図書館へ「スターバックス」出店 - ITmedia eBook USER
佐賀新聞などが伝えるところによると、市は、Tカードと従来の図書館カードを利用者が選択可能にし、Tカード利用の場合は、ポイント付与に必要なT会員番号、使用年月日、使用時刻、ポイント数、貸し出し点数のデータを提供、貸し出し履歴は提供しない方針。同市の個人情報保護審議会も「情報提供に本人の同意があれば」としながらも、「市の個人情報保護条例上問題ない」と市に答申しており、その後、指定管理者にCCCを指定する議案が賛成多数で可決している。

武雄市図書館・歴史資料館アンケート用紙で記入者の筆跡が公開 - Togetter

http://www.asahi.com/politics/update/1105/TKY201111050160.html

 自前の施設がなく、可燃ごみの処理がパンク寸前になった東京都小金井市で、佐藤和雄市長(54)が引責辞任することになった。初当選した今春の市長選の際、外部へのごみ処理委託費などを「ムダ使い」と主張。支援してきた周辺自治体との関係が悪化し、引き取り先が見つからない袋小路に陥ったためだ。

大阪市は橋下氏が市長だった平成24年、職員およそ3万人を対象に、労働組合の活動や政治活動の経験についてアンケート調査を行いましたが、これについて翌年の平成25年、大阪府労働委員会が不当労働行為とする決定を出し、その後、市の労働組合が起こした裁判でもアンケートの違法性を認める判決が確定しました。

この問題で、裁判を起こした労働組合とは別の組合が「橋下氏は労働委員会からこうした行為を繰り返さないと誓約文を出すよう命じられたのに従わなかった。さらに『大阪市の公務員は何百人もクビですよ』などと違法な発言をした」として、弁護士としての橋下氏を懲戒処分にするよう大阪弁護士会に申し立てていました。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180102/k10011277121000.html

地方自治講義 (ちくま新書 1238)

地方自治講義 (ちくま新書 1238)

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