geopoliticsさんの日記(無回転思考)

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法と技術の不仲 図書館貸出履歴活用問題は技術の問題

図書館の貸し出し履歴活用問題ですが、問われているのは法の問題ではなく技術と運用の問題です。しかし市長は総務省出身の法律官僚であって技術にしては全くの素人だと思われます。あの騒動*1は市長の体を張ったボケに技術畑の高木氏がつっこみを入れてたらマジ切れされたというものです。

残念ですけど法律屋は事務職並みに閑職になりつつあります。それはまさにイット革命の成果です。技術革新が地殻変動を起こし、以前なら強大な権力を握っていた文系貴族が没落し、新興技術財閥へと政権交代が行われたのです。

私の理解では高木氏はこのような時代にブレーキをかけようとしているのです。悪い意味ではなく良い意味でです。それは技術帝国に対し自制を求めているのです。出来れば強制的に技術を許可無く使わせない。

技術革新は凄まじく巨大なデータを使って消費者の好みを分析しています。売るための技術がネットと半導体でかなり安価に出来るようになりました。その情報を広告として売っているのが今のネット企業です。企業はポイントカードを使って消費者分析をしています。あれは顧客サービスではなくマーケティングの一環です。膨大な情報を集積して分析し嗜好を判定して売るためのコストを削減しているのです。

米国「プライバシー権利章典」の衝撃 出遅れた日本 :日本経済新聞

データ収集の怖さは初めは行政組織からです。
自動車ナンバー自動読取装置 - Wikipedia

それが今や民間で法律の外(未整備)の中、日々蓄積されているという認識があの市長には無かったというのが高木氏の落胆*2ではないでしょうか。情報技術の勉強不足を法律論で押し切ろうとして炎上したとも言えます。この当たりはまだ過敏くらいがちょうど良いと思います。
高木浩光先生@HiromitsuTakagiの「Ustream 平成24年度武雄市記者会見 「図書カードをTポイントカードに全部置き換え」」 #takeolibrary - Togetter
グーグル事件の波紋、巨人が示した“教訓” | 日経 xTECH(クロステック)
グーグルのプライバシー・ポリシーをめぐる欧州の動き─グローバル化の中でのプライバシー保護法制をどう考えるか(その1) — 玉井 克哉 – アゴラ

閉じこもるインターネット――グーグル・パーソナライズ・民主主義

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『閉じこもるインターネット』はこの事件で技術屋以外の法律しか知らない人でも読めはずの書籍です。あなたの検索はあなた好みとはどういうことか。

Tポイントの会員データ分析から企業は何を知るのか - ZDNet Japan
また最近では、こうした個人のIDとひも付けられた購買履歴、サービス利用履歴の組み合わせは、広義でのプライバシー情報や個人情報として、慎重に扱われるべきではないかといった議論もある。実際、このセッションでも来場者より「購買履歴に基づいた分析やレコメンドを行うことで、消費者が警戒感や嫌悪感を覚える恐れもあるが、それを軽減するための方策はとっているか」との質問がなされた。

 山本氏はこれに対して「社内規定で、例えば保険やローン、金融商品、プライベートな一部の日用品など、“デリケートな商品”に関するデータは分析に使えないよう、ルールが設定されている」と回答した。

http://www.asahi.com/national/update/0717/NGY201207160032.html
「Tポイント」が、ドラッグストアで会員が買った医薬品の商品名をデータとして取得し、会員に十分な説明をしないまま販促活動などに使っていることがわかった。

まとめよう、あつまろう - Togetter
高木浩光@自宅の日記 - Tポイントは本当は何をやっているのか
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20121124/k10013720241000.html
神田記者による「駅員がパスモでストーカー」記事の補足 - Togetter
履歴利用ではないが近い将来訪れる社会。
http://news.nicovideo.jp/watch/nw386834
CCC「Tポイント」事業を分社化、新会社設立 -INTERNET Watch Watch
地図アプリは“スマホの金脈”だった、AppleがGoogleに対抗した理由を探る - INTERNET Watch Watch

CODE―インターネットの合法・違法・プライバシー

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グーグル革命の衝撃 (新潮文庫)

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この世界では元祖といよりインパクトがあった会社です。
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映画セブン。図書館履歴を裏から見て犯人を割り出すというシーンがある映画だそうです。相棒にも図書館履歴を調べるというのがあるようですが、DVD化の際欠番扱いになったという情報*3があります。
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今年流行るビッグデータという前にデータ分析の一番わかりやすい本です。入門前入門です。統計分析で「新たに何かを発見する」ということをかっこよく言うとデータマイニングです。可能になったのはコンピュータが安くなったからです。
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作中で雫は図書カードに書かれた名前から、聖司に興味を持つといった描写がされているが、プライバシーの保護などの観点から本の貸し出しのバーコード化を進めている日本図書館協会から公開当時、クレームがついた。
耳をすませば - Wikipedia

“耳をすませば事件”と“読書の秘密”を守る権利の話 - Togetter

「自由宣言」と図書館活動

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超技術的な話。
固有IDのシンプル・シナリオ
1年間で1人あたり142冊もの本を読む埼玉県三郷市立彦郷小学校「社会問題の根幹にあるのは読書不足」 | Living Entertainment

レンタル大手「TSUTAYA」や、ポイントのつく「Tカード」を展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)が指定管理者として運営する神奈川県・海老名市立図書館で、“貸出カード”を作った利用者が2015年11月、「ダイレクトメールが送られてきた」とTwitterに投稿した。投稿された画像によると、ダイレクトメールはCCCからで、図書館とは直接関係のない学習塾の冬期講習の案内だった。
【TSUTAYA図書館】海老名市立図書館の"貸出カード"を作ったら、ダイレクトメールが届くのはなぜ?