為末大の超正しい五輪議論 変わらぬ日本の欠点

 メダル数に最も影響する要素としては、人口、GDP(国内総生産)が50%程度、あとは科学技術やサポート態勢など、10程度の要素で残りの50%となっている。GDPと人口は簡単には変化しないから、スポーツ界が努力できる領域は50%の部分にかかってくる。

 メダル獲得に関して、日本はかなり不利な状況にいる。人口はそこそこながら先進国中で少子高齢化はトップを走っていて、GDPも減少しつつある。また強化費は発表している国の中では最も低い中、選手たちは努力していると言えるのではないか。
結果不振選手批判はブラック企業の論理 - 為末大学 - ソチ五輪2014 : nikkansports.com

特化している要素を抜くと単純に国力に比例し、なおかつ強化費に比例する。冬季五輪はとくに金がかかるので先進国祭りになる。

12年ロンドン五輪では、ドイツが270億円強、米国165億円、韓国150億に対し、日本は27億円という試算がある。

日本はスポーツ予算が少なく企業のまかないに頼っている。

アメリカがトップで旧ソ連も冷戦時代は争うくらい強かった。国が生活を保障するなら優秀な選手やコーチが生まれる。ソ連が崩壊して優秀なコーチが経済力のある海外に出て行った。浅田真央のコーチだったタラソワはソ連崩壊無しには日本に来なかっただろう。

 私は日本的精神論とは、(1)足りないリソース(資源)を気持ちで補わせる(2)全体的問題を個人の努力に押し付ける、だと考えている。
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(1)足りないリソース(資源)を気持ちで補わせる
(2)全体的問題を個人の努力に押し付ける
100万回言いましょう。
個人の才覚に頼った戦術は破綻する。これは戦争経験者も言っている。頼った個人が戦死すればその一団が無力化してしまう。無力化しても兵は腹は減るので実質的に赤字戦力になる。