民営化という名の焦土作戦

図書館を始めいろいろ民営化されているが、現状維持が国営でできないので民営化するというスキームである。つまり民営の方がうまくいくという発想である。しかしやっていることは民間ならではの自爆営業的なことを含む動員である。人件費削減はすでにやっているが実績のかさ上げは民間でしかできない。

読書通帳というアイデアまでは良かったが、ポイント制にして景品をつけた。ここから子供の「循環取引」が始まった。さらに大人まで巻き込んだ自爆営業である。

さらに関連企業の社員たちに「本を借りるように」とハッパをかけ社員たちが4階、5階の自動貸出機で読みもしない本を大量に借りて、そのまま1階の返却ポストに放り込んでいたという。
http://www.h5.dion.ne.jp/~chosyu/tosyokannoyakuwarihiteisitamineika.html

ルール設定が貸し出し数というのが一番悪かった。貸し出し数が売り上げに影響する。だから数にこだわったようだ。民営化する意義を問われるので数にこだわったのだと思う。

元に戻したら1割減。それでも三倍からの一割減なのかな。

今年度、市直営に戻って1割超、貸出冊数が減少したといわれている。仮に1割と仮定しても年間に約10万冊が架空の貸出冊数であったと考えられる。
http://www.h5.dion.ne.jp/~chosyu/tosyokannoyakuwarihiteisitamineika.html

金が減れば質は落ちるのが当然の結果である。

他の仕事に忙殺されて司書の仕事をまっとうできず、休みもとれない状態に、契約期間が終わる直前の2014年11月末、ベテランの司書8人のうち、アシスタントマネージャー2人とリーダー2人の計4人が抗議を込めて一斉に退職する事態となった。そのなかにはレファレンスを担当していた3人のうち2人が含まれていた。

最後に理想的な図書館とはこちらの本を読んで欲しい。

未来をつくる図書館―ニューヨークからの報告― (岩波新書)

未来をつくる図書館―ニューヨークからの報告― (岩波新書)