黒髪強制に至るまで 大阪教育改革の失敗
予見されていた大阪の未来
追記を含めて長いです。
現状を変えようとしたら、良くなるどころか悪化してしまった。さらに海外で失敗している制度を何の脈絡(批判)なしに導入した。薬で言うと海外で治験して悪い結果が出た薬をわざわざ導入というのがこの問題の根幹のようです。
自分の目指す目標に固執している政治家というのは、自分の聞きたくない軍事的なアドバイスを聞いて方針を変えることはほとんどない。不思議なことに、政治家の「望ましいこと」は、彼らの意志の力によって「実現可能なこと」にすり替わってしまうのだ。
— コリン・S・グレイbot(非公式) (@C_S_G_bot) 2018年8月8日
2012年時点で指摘されていた問題です
追記10
大阪の教育政策が失敗した証拠
近県に逃げる受験生
橋下知事就任時、京阪神都市圏を抱える三府県(大阪・兵庫・京都)の、小学校の教員試験の倍率はほぼ同じ(むしろ、大阪が一番高い)状況でしたが、橋下・松井府政下の教育現場の悪化を受けて、先生のなり手が減少、一方で、そうした先生方が、周辺府県(兵庫・京都含む)に流れてしまったのです。
藤井 聡 - 「橋下維新」は、教育改革を熱心にやった、と声高に喧伝しています。...
藤井 聡 - 教育学者の小野田教授から、大阪の教育現場が、橋下知事就任以降、現場の実情にはそぐわない「改革」が連発され...
追記9
特進学校を作るというわかりやすさ。この学校が成功しても他の学校の学力は上がらない。実績作りになるけど。
子会社に負債をつけ回して本体は健全というどこかで聞いたやり方です。
学力の高い子供を対象にした公立の「特進中学校」を新たに設ける意向を示した。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180803-00000002-ytv-l27
追記8
さらにヤバイ方向に
吉村市長が構想する制度は、市教委が「前年度比で正答率を何%上げる」など学力テストの具体的な数値目標を設定。達成した学校に対しては、校長や教員の人事評価を上げてボーナスの増額につなげたり、学校の裁量予算を増額したりするが、未達成の学校は予算の減額や人事にマイナス評価として反映する仕組み。
「学テ」結果、校長や教員のボーナス、学校予算に反映へ…最下位常態化に危機感 大阪市の吉村市長方針(1/2ページ) - 産経ニュース
吉村大阪市長は、会見で「私自身は非常に危機感を感じています」「万年最下位でいいと思うなよ」と述べました。今年度の全国学力テストで、大阪市は小6・中3ともに2年連続で政令市で最下位の成績でした。これを受け、吉村市長は来年度のテストから学校ごとに数値目標を設定し、達成できたかどうかを校長・教員の人事評価や給与に反映させるとの考えを明らかにしました。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180802-00010012-asahibcv-l27
全国学力テストの結果を教員の人事評価に反映させる方針を示した、大阪市の吉村市長は、来年のテストでも大阪市が全国の政令指定都市の中で最下位になった場合、来年夏のボーナスを受け取らないと述べました。
https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20180816/0005342.html
教育は学校の範囲を超えている
教育毒本 ... 全国学力テスト
保護者の所得は学力にどれほど影響があるのか?/山田哲也 - SYNODOS
「全国学力調査の学校の平均正答数が,学校・教員の努力を示している」と思う方は,まず『児童生徒や学校の社会経済的背景を分析するための調査の在り方に関する調査研究』の第6章(図9と図10)をご覧ください。校区の大卒者割合と正答数平均の関連を示した散布図があります。https://t.co/dFuWMA1WUz
— 川口俊明 (@K_Toshiosan) 2018年8月3日
あと、起こりそうなこととしてさ。成績の低い子を支援級に入れよう入れようとする教員が現れてもおかしくないからな。その子がどうして成績が低いか、とらえようともせずにね。
— Yutaro (@yutaro_today) 2018年8月2日
http://hatena.fut573.com/entry/20120228/1330386651
これまでの学力調査で、保護者の収入や学歴が子の学力と強く関係していることが判明しており、校長は「学力を上げるのであれば、家庭での教育力を考える必要がある。教員に対する施策よりも、所得格差を埋めることが必要ではないか」と提案する。
https://www.asahi.com/articles/ASL834J0ML83UTIL01R.html
実際の話、日本が目標にしているのは、結局、フランスなどの国外じゃなくて、この北陸3県のような世界なんですよね。
— ulala france (@ulala_go) 2018年8月28日
共働き率も正社員率も高く、待機児童も0。出生率も高い。そして塾に行かずに公立でも高い学力がある子供達が育っている。
ドイツも見学に来てたぐらいだし。 https://t.co/VHTfA9RBvy
保護者の学歴が高いほど児童生徒の学力が高い傾向がみられるが、より詳しく見ると、児童生徒の学力は父親の学歴より母親の学歴との関係性がより強く出ていることだ。
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180829-00056752-gendaibiz-bus_all&p=1
「京都の私立高校の理事長と雑談していたら『最近、大阪府立高校を辞めたベテランの優秀な教員が流れてくるから助かってます』と真顔で言うので驚きました。その一方で『これ以上、教え子を大阪の公立学校に送り込みたくない』と大阪以外の近隣府県での教員採用を目指すように指導している教育大学や教育学部の教授も一人や二人ではありません」
大阪からベテランの優秀な教員が逃げ出した理由 | 概要 | AERA dot. (アエラドット)
大阪市の場合、人事評価制度の中で人材育成という項目を設けることで協働性を促進する一方、評価の一部に相対評価を採用しており協働性を阻害してしまっている。
大阪市が目指す教育改革は「最先端から2周遅れ」の間違った改革だ(畠山 勝太) | 現代ビジネス | 講談社(1/4)
メリットペイの二つ目の問題点は不正行為である。メリットペイの運用方法は大きく分けて二つある。一つは、単純に生徒の学力テストの成績をもって教員を評価するもので、もう一つは、前年比での改善度合いをもって教員を評価するものである。
しかし、いずれの方法を採用しても不正行為が発生しやすい。例えば、成績の良くない生徒を当日欠席させる、ないしは学習障害児として扱うことで、教員が受け持つ生徒の平均点を簡単に上昇させることができるため、米国で実施されたメリットペイでは、このような不正行為が横行したことが確認されている。
メリットペイの三つ目の問題点は不公正性である。たしかに、古い教員給与制度は努力している教員が報われないという不公正性を孕んでいたが、メリットペイは困難校に勤務する教員が報われないという不公正性を持つ。
困難校では教員は自身が持つリソースの多くを学力以外の問題に支払う必要があるが、非困難校に勤める教員は自身の持つ教育リソースの多くを学力向上のためだけに割くことができる。
遺伝や誤差項を除いた場合、子供の学力に影響を与える要因は、親の教育投資・地域社会による教育投資・学校(学校システムと教員)による教育投資・国による教育投資の4つに主に分類することができるが、子供の学力問題に対して教員がどれだけ責任を負うべきなのか全く考慮していないという問題点がある。
大阪市長提案:「学テ結果で教員評価」波紋 撤回求め署名 | 毎日新聞一時期、私立の中高一貫校が予備校講師を招聘して進学実績の向上を図るみたいなことをやってたところがちょいちょいあったけどうまくいかなかったんですよね。
[B! 教育] 大阪市が目指す教育改革は「最先端から2周遅れ」の間違った改革だ(畠山 勝太) @gendai_biz
学校などのクラスは20人程度までが望ましい - Togetter
優秀論文賞授賞論文 - 日本教育心理学会
追記7
黒髪は企業が求めていた
ファミリーマートはこのほど、人手不足解消などを目的に、3月からアルバイトスタッフの髪形やあいさつに関する規則を緩和したことを明らかにした。従来は「黒髪のみ」と定めていた髪色を自由とし、茶髪や金髪などで勤務することを認めているという。
ファミマのバイト、“時代の流れ”で「茶髪OK」に:あいさつ「またお越しくださいませ」も廃止 - ITmedia ビジネスオンライン
強調引用者付記
追記6親世代のリアル
昔話。小学生の頃、3ー4歳年上が怖かった。竹の子族、暴走族が流行り、中学校の入学式では卒業して出て行った3年生の建物のガラスが割れていたりスプレーで落書きがしてあった。その影響で保護者は教師に躾を期待し、バットやバリカンを持って歩いている先生もいて、怒鳴られたり体罰も珍しくなかった
— 裕木奈江 NAE YUUKI (@nae_auth) 2018年2月4日
70〜80年代の荒れで学校が管理教育に走った。
これがその時代です。
追記5
学校が一律に規制する理由。
同級生らは「何で彼女だけ茶髪でいいの」「地毛じゃなくて染めているよね」などと陰口をたたいた。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171112-00000006-mai-life
学生時代だけでなく、社会人になってからも髪の色で肩身の狭い思いをしてきたという女性。
頭髪指導:ありのまま阻む壁 地毛茶色女性「これが現実」 | 毎日新聞
追記4
府立も6割 都立も6割 地毛証明
都立高も6割*1だった。府立も(回答した学校の)6割だった。府立は138(平成28年)ある*2。全日制で137計算?
毎日新聞が大阪府立高校に頭髪指導に関するアンケートを実施したところ、回答した71校の約6割が、生まれつき髪が茶色い生徒らが地毛の色を届け出る「地毛登録制度」を導入していた。
思うに偏差値が55以下じゃないかなあと思います。55以下は7割いますが。
学校の評判や就職・進学への影響などを理由に「黒髪」を重視する学校現場の実態が明らかになった。
頭髪指導が必要な理由では、就職・進学への影響(10校)、規律や生活の乱れ防止(5校)、保護者や地域の要望・評価(5校)などを挙げた。府教委は「頭髪指導は各校に任せており、実態は把握していない」としている。
東京都教育委員会は、すべての都立中学校と高校に対し、生徒の生まれつきの髪を黒く染めさせる指導を禁止する通知を出した。これまでも黒染め指導をしないよう各校に口頭で求めてきたが、不適切な指導が根強く残っているとの指摘を受け、禁止の考えを文書で明確に示すことにした。
黒染め指導禁止を通知 全都立中高に東京都教委 | 毎日新聞
学校に任せるは「上手くやれ」と同じで、ルール設定の責任は問われなければなりません。
おかしなルールのゲームで現場が変な方向に走ったのだと思います。教育に関しては素人集団だとずっと言い続けているんですよね。
先生に競争させるとプラスよりマイナスが大きいという調査があります。孫引きで申し訳ないのですが『統計学が最強』に載っていました。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171111-00000090-mai-life
東京の都立高校の約6割が、生徒が髪の毛を染めたりパーマをかけたりしていないか、生まれつきの髪かを見分けるため、一部の生徒から入学時に「地毛証明書」を提出させていることがわかった。
http://www.asahi.com/articles/ASK4P4TZ6K4PUTIL01Q.html
追記3(追記2は下の方)
これ別枠で書いた方がいいのかな。
恐怖政治によるポピュリズム教育改革の犠牲者はだれか
学校間競争というのはABCランクの取り合いなので、Cランクをつかんだら終わりまでCです。ずっと固定されてしまいます。偏差値のカーブのどこを取るかが勝負です。(店舗経営でいうと立地がすべてです。日本の映画ドラマだと役者がすべて。脚本に意味がない)。で、これが動くことはほぼない。唯一動いたのが都立の学校群制で、これでAランクが私立(開成や麻布)に流れました。だから義務校で学校選抜制が意味のない競争だったので、取りやめたところもあります*3(一度固定されたら動かないし現場ががんばっても無意味)。
ランクが下でも支援があるわけではないので本当に意味がない。学校に予算がないのでね。教育予算は社会福祉(民生費)の次くらいに頭の痛い問題です。実際は加配と言って定員より多く(数人)配置されますがそれでも足りないのです。
唯一合法的にやっているのが高校受験です。当然、優秀な人を特待生(無料)で取るのが上策です。あとはかわいい制服、新校舎くらいですね。これも競争ですが、受験生が勝手に競争してくれるだけです。そして部活動の実績。これは某府立高校で問題化しました。高校の入口と出口で偏差値(実績)は変わりません。
下の方にありますが実績のある特別支援学校は軍隊的です。専門の塾があるくらい実績のある支援学校(高等部)が軍隊的なのです。日本がよくわかると思います。
限られたリソースで、学校で動かせるところと言ったら見かけしかないので*4、競争させたらそういう結論に行き着くことを予見できなかった自治体の素人行政(ブードゥー教育)が今回の悲劇です。
悪いルールは悪い結果をもたらす。
で、意味のない消耗戦が始まったのが大阪。
祝・文春砲
「学校側は指導の理由を、『茶髪の生徒がいると学校の評判が下がるから』だと言いました。金髪の留学生でも黒く染めさせるとのことです。
http://bunshun.jp/articles/-/4765
赤字引用者付記
推察通りでした。評判は学校が決めるわけではなく、学校の外が決めます。基本的に偏差値が高いと自由です。つまり、ただしイケメンに限るです。挨拶ができると評価が高いですよ。
さらに学校の実績を上げることを求められています。評定で下5%(相対評価なので絶対にいる)の教員は最悪クビだそうです。だからここ(条例)が問題の根幹です。
今回の件で、逆に学校の評判が下がったという指摘がありますが、そんなことにかまっているほど現場に余裕はないことがわかると思います。
次は、「現場がやったとこと、我々は知らない(か現場を処分)」ですよ。やった人たちは責任を取りませんから。
前説を追記
大阪府の維新から始まる教育改革は失敗するだろうと思ってブログに記録をつけていました*5。2012年からですよ*6。イギリスで失敗したものを導入とか*7。留年検討に現場は懸念を表明なども*8。留年が実現していないのはたぶん良くも悪くも現状がまだましだからだと思います。失敗したのは教育だけではないですけどね。大阪府警もやらかしています*9。原因はたぶん一緒(同根)ですね。
教育は生徒より先に先生が犠牲になりましたけどあまり騒がないんですよね。先生に害が及ぶなら生徒に行くのは時間の問題だったんですよ。民間校長も教頭が病院送りにという事件がありましたからね(強調)。そこは確か保護者も立ち上がった中学校です*10。民間校長登用で校長の椅子が減って、その下の教頭試験を受ける人がいなくなったのも大阪です(校長になるためには教頭になる必要がある)*11。まさか召集令状を配るとは*12。校長(のち教育長→辞任)が先生の口元チェックも大阪府です。
他にも不味い給食もありましたけど。教育に関しては失敗が多すぎるし、実害が大きいのが問題です。
http://getnews.jp/archives/175854
http://www.sankei.com/west/news/150311/wst1503110057-n1.html
ちなみに現場が何かできる余裕なんてないですよ。
http://www.asahi.com/articles/ASK9D3TQPK9DUTIL01S.html
経済協力開発機構(OECD)は12日、加盟国の教育に関する調査結果を発表した。それによると、日本の公立の小学校から高校までの教員の労働時間は最も長いレベルだったのに対し、労働時間のうち授業にあてる割合は最も低いレベルだった。教員の多忙化とその解消が課題となるなか、授業以外の負担が他国と比べても重い実態が改めて浮かんだ。
【緊急提言】
— 斉藤ひでみ (@kimamanigo0815) 2017年11月3日
中教審・文科省の方々、現場の声に耳を傾けて下さい
今、抜本改革に踏み切らなければ、教員も日本も永遠に救われません
僕らは11/6に記者会見を行なうことにしました
思いを同じくする皆さん、どうか力を貸して下さい
現職審議会https://t.co/jpyhbKUQlJ pic.twitter.com/H8wAm0mqih
規制って別に公務員がしたくてしているわけではないんですよ。シリーウォークの正しい理解です。
この結果が、
http://www.asahi.com/national/update/0308/OSK201003070116.html
[B! 教育] asahi.com(朝日新聞社):だめな高校は退場してもらう 橋下知事の改革始動 - 社会
これ。
http://www.asahi.com/articles/ASKBS6D22KBSPTIL024.html
生まれつき茶色い髪を黒く染めるよう教諭らから何度も指導され精神的な苦痛を受けたとして、大阪府立高校3年の女子生徒が、府に約220万円の賠償を求める訴訟を大阪地裁に起こした。
忙しい人向け
大阪府では生徒の取り合いが始まって、中堅から下は定員割れを起こすので(三年連続だとお取り潰し)、質を上げる方向に舵を切った。質はそうそう上がらない。学力差は小学校入学前にすでにある。だからどこをやるかと言えば、黒髪という見かけ。これで入学者のレベルを上げる(詳しくは下の方にあるツイートの就職話)。かわいい制服も意外と効果がある。新校舎もいいですよ。要するに見た目に投資した方が効果が高いのです。新校舎は私立大学でもよく見かけられたと思います。
つまりに(下請け)現場への統制が厳しくなったのです。お金を使わずに(利益)結果を出せと言われれば当然(不正)おかしなことが実現してしまうわけで。
保護者の所得は学力にどれほど影響があるのか?/山田哲也 - SYNODOS
大阪府の場合、職員基本条例と教育基本条例で教職員を統制しているのでこういうことが起こりうるのです。校長による人事評価で最低のDが3年続くと免職させられる規定があるもので・・・・・
— RAVEN_6@GDZ勢 (@Raven_6_trpg) 2017年10月27日
ちょうど橋下徹から松井一郎に府知事が変わる直前の2011年に通った条例です。大阪でも多くの人は忘れていると思いますが、アメリカの息子ブッシュ政権の時代につくられた「落ちこぼれゼロ法」に酷似しています。https://t.co/QEMZwgmt8N
— RAVEN_6@GDZ勢 (@Raven_6_trpg) 2017年10月27日
ちなみに黒髪絶対主義の高校は斡旋先の企業からのお達しに従ってる場合が多いので、高校を叩くよりも地毛であろうと黒髪以外は採用しないような会社が現実に存在する事を叩いた方がいい(このツイート伸びて)
— なゆほ (@Nayuho6866) 2017年10月27日
そして、「茶髪 労務管理」ぐらいで検索すると、いかに茶髪の従業員を処分したいか、クビにしたいかという相談で溢れていて、「茶髪不可」ぐらいで検索すると、世の中の採用広告で地毛だろうがなんだろうが茶髪不可、というのが満ち溢れ、しかし広告文面からは削除されたものが多いのもわかる。
— SAKIYAMA Nobuo/崎山伸夫 (@sakichan) 2017年10月27日
「地毛でも黒くそめろ」の高校がやってることが人権侵害だというのは前提だが、進学校でもなければ高校が非常に気にする生徒の就職について、そういう態度でもなければあまたの企業側がその高校の扱いを悪くするのだろうな、少なくともそういうことを怖れているな、という想像は容易につく。
— SAKIYAMA Nobuo/崎山伸夫 (@sakichan) 2017年10月27日
そういえば、とある企業で偏差値別採用リストが流出して問題になったことがありましたね。現場の先生も必至というか悲惨の方が適切です。
人気のある所は軍隊式。企業は軍隊式を好むのか。
永福学園は高い就職率を誇り、この学校に入るための塾が存在するようなエリート特別支援学校だ。
— 松本太一@アナログゲーム療育 (@gameryouiku) 2017年8月25日
その実績の裏にこのような軍隊的な指導があるとするなら、学校の存在意義が大きく揺らぐことになるだろう。https://t.co/amtMxmS74e
現場で統制するとなったらこうなるだろうなというお話。理想はいいけど現実を見ないとふわふわした話になる。この手の話は介護関連でもよくある。
他の生徒にはどう説明するのですか?あの子は地毛だから仕方ない、では通用しませんよ。あの子だけとくべつ扱いするのか?になりますよ。お答え下さい。
— 佐山透 (@sabanbeach) 2017年10月27日
裁判にするとは色々な方に迷惑をかけましたね。ひどい生徒だ。これが権利?ただの薄っぺらな人格者だね(笑)。
条例の中身はともかく従わないとこうなります。
http://www.sankei.com/west/news/160706/wst1607060082-n1.html
大阪府立高校の卒業式で国歌斉唱時に起立しなかったとして減給処分を受けた元教員の女性(63)が、起立斉唱を求める府の「国旗国歌条例」や教育長の通達は違憲だとして、府に処分取り消しと100万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、大阪地裁は6日、請求を棄却した。
従わせる地ならしは出来ています。
いわゆる底辺高校がいかにひどいかはこちらで学習。
より詳しく
発端はたぶんこれ。
asahi.com(朝日新聞社):だめな高校は退場してもらう 橋下知事の改革始動 - 橋下知事の日々
だめな高校は公立、私立とも退場してもらう――。大阪府の橋下徹知事の高校改革が今春、本格的に始まる。公私間の授業料格差を無くすため、府の私立助成を大幅に拡充。公私で生徒の獲得を競わせる。
その結果。公立対私立で公立の中堅から下が草刈り場に。
http://www.excite.co.jp/News/politics_g/20110724/Weeklyjn_966.html
大阪府が今年から実施に踏み切った拡充・私立高校授業料支援制度で、高校関係者が大ピンチに見舞われている。
私学へのハードルが低くなり、自由に進路が選べるようになった結果、公立高校の定員割れが続出しているからだ。
「なにしろ公立普通科の4割が定員割れ。ある程度は予想していましたが、この数字は今の試験制度になってから最低です。授業料が高くて私立への進学を諦めていた家庭の子供が、みんな目指すようになりましたからね」(大阪府教育委員会)
「公立が不人気で私立に生徒が流れるといっても、名門校は新制度に関係なく人気がある。問題は中位下位の学校です。本来、公立に行くはずの生徒たちが私学に流れるようになれば、公立の上位校にはさらに優秀な生徒が集まり、荒れる学校はますます荒れる、ということになるでしょう。最悪、存続が危うくなる学校も出てきますよ」
教職員の評定。
これに教職員を従わせるために、校長が5段階の「人事評価」を行い、必ず5%は最低の「Dランク」にすること、連続最低ランクの教員には「特別研修」から、免職へと追い込む「ルール」を決めています。
教育基本条例案・職員基本条例案について/日本共産党大阪府委員会
赤字強調引用者付記
これをやると職員室の中が悪くなると思います。
おとり潰し政策。
3年連続定員割れした府立高校を廃校の対象にするとする府立学校条例や、府立と大阪市立の計7校を廃校にする学校統廃合計画に基づくものです。
府立4高校、統廃合へ府教育委員会議 11月に最終決定子どもの実態考えない暴挙/日本共産党大阪府委員会
お取り潰し条例
大阪府立学校条例
第二条
2 入学を志願する者の数が三年連続して定員に満たない高等学校で、その後も改善する見込みがないと認められるものは、再編整備の対象とする。
大阪府立学校条例
都立高も同じ
背景には、生徒とのトラブルを防ぐほか、私立高との競争が激しく、生活指導をきちんとしていることを保護者や生徒にアピールするねらいもある。
http://www.asahi.com/articles/ASK4P4TZ6K4PUTIL01Q.html
赤字引用者付記
黒髪政策は学校外向けで、スポンサーである親とか地域住民とか就職先になる企業に受けがいい(と少なくとも現場は考えている)。規則は一律の方が低コストで実現できる。あの子だけ茶髪(地毛)というアホな文句も防げる。あの子は地毛だからという先生の話が通じる世界ならいい学校です。東京の高校で地毛証明がありましたが、あれはかなりいい方だと今回の件で理解できたと思います。
口元チェックとか教員向けだったのが下の方、つまり生徒まで下りてきただけです。教員を笑っていた人はこれも笑えるかな。
追記22012年時点で指摘されていた
黒髪強制は結果であって、それに至る前段があるのです。トリガーは条例。アメリカで失敗した事例を導入した。
引用ですが
VOICE(MBS)の取材(http://www.mbs.jp/voice/)
2012.2.16-17日放送
彼女は条例の半分近くが教員の懲戒や免職に規定で占められていることに驚いていました。
1.学力テストを実施、結果を公表し学校どうしを競争させる
2.教員の評価を厳しくし、校長の命令に背いた場合免職もあり得る(日本なら君が代がネック)
と言う教育基本条例の特徴は、落ちこぼれゼロ法と共通している。
落ちこぼれゼロ法下でのやり方、情報を集め教師を処罰するという懲罰的態度、成績があがらずダメ学校の烙印を押されたら閉校、こういうやり方では成功しない、と彼女は断言します。
「大阪は同じ轍を踏むことになるだろう。せっかく教育改革する機会があるのなら私たちが歩いてきた10年間を繰り返して欲しくない」
大阪教育基本条例はアメリカで破たんした落ちこぼれゼロ法とそっくりと指摘した報道番組VOICEに逆上する橋下氏(動画が削除されたので追記があります) - Afternoon Cafe
だから予測されていた未来なんです。
同じようなことをやったら地域住民がウィスコンシン州(米国)は反対に回って、大阪は維新を支持した。
「落ちこぼれゼロ法」は、公立校の教師をすぐに首にできる法律で、ダメ学校を民営化する仕組み。私学には労組はない。つまり労組をつぶして、教育予算を削減しようという法律。ウィスコンシン州と大阪は酷似している
— 西谷文和 (@saveiraq) 2012年2月26日
ウィスコンシン州での落ちこぼれゼロ法との戦いについて - Togetter
(続き)そして誰も「落ちこぼれゼロ」がこれほどの悪法だとは思わなかった。法律が施行されて10年。これは希代の悪法だった。予算だけがカットされ、点数だけで評価され、子どもも教師も不幸になった。このままでは大阪がこの二の舞を踏む
— 西谷文和 (@saveiraq) 2012年2月26日
口元チェックの「効果」。その通りになっているでしょ?
だが、いまだに数値的な序列化・格付けとそれによる報奨と処罰「だけ」が唯一有効な教育手段だと信じている人がたくさんいる(この府教育長もおそらくその一員であろう)。
そういう人間が教育行政を仕切っているところでは、子供たちの学力は劣化してゆく他ない。
教員たちも子供たちと同じやりかたで序列化される。
イエスマンが報奨され、反抗的な教員は処罰される。
大阪の教育現場はそういうことになっている。
「だから!遅すぎたと言ってるんだ!」
大阪はぼくらの七日間戦争ですね。
ちなみに府警にも圧力をかけて結果的に現場が統計をいじっています。
平成20年4月、財政再建で大なたを振るう就任初年の橋下徹府知事(当時)を前に、府警の担当者が強い口調で訴えた。
議題になっていたのは、警察官定数を520人削減するという知事直轄のプロジェクトチーム(PT)による改革案だ。
府警側は「あり得ない選択」と猛反発。最終的には橋下氏も「府民は治安向上を期待している」とPT案を撤回した。
http://www.iza.ne.jp/kiji/events/news/140731/evt14073110160013-n1.html
橋下市長は31日の会見で、「僕自身がプレッシャーをかけた。あれぐらい言わないと府警は動かない」
大阪府警、犯罪8万件を計上せず「ワースト返上」とウソ 橋下大阪市長が「おわび」 | ハフポスト NEWS
赤字引用者付記
警察官の定数削減を巡って、大阪府の橋下知事と縄田修府警本部長との折衝が、2008年5月29日行われた。知事は人員面での合理化を迫ったが、縄田本部長は定数維持を求めて譲らなかった。
橋下知事 大阪府警の人員削減は見送り: J-CAST ニュース
橋下徹大阪府知事(現大阪市長)の財政再建策で、給料水準も警察の中で最下位レベルを推移し、府警の警察官を志す若者が減っているためだ。
大阪府警を悩ます「ある事情」…最下位レベル「給与」落ち込む「応募」必死の人材確保(1/2ページ) - 産経ニュース
https://togetter.com/li/1165173
少ない水源を求めて醜い争いが始まりますよ。
http://www.excite.co.jp/News/it_g/20171027/Buzzap_45782.html
書いてないけど大阪市立中だったのかな。
「茶髪で生まれたら普通じゃないの?」 黒染めを強要された女子高生の想い
赤紙の話(2013年7月)。内田樹先生は教育に関してはまともだと思います。いわゆる現場感覚ですかね。他はわかりません。
おはようございます。今日は午後からお稽古、それから例会です。朝刊の記事、公立学校では教頭になり手がいないそうです。教頭は多忙な上に待遇が悪く希望者が年々減。試験の不合格者6人を繰り上げ合格させた大阪市教委は今年度から有資格者全員に受験を義務づける。全国でも異例だそうです。
— 内田樹 (@levinassien) 2013年7月27日
アメリカにおける同調圧力の強さってなかなか理解されないが、「本当の姿」なんてなかなかさらせない社会。特にニューヨークなどの大都市は「空気読む」ことが求められる。最近はそうでもないが、かつて精神分析医が流行ったのも、今、オピオイドが流行るのもそういう背景があると思う。
— Kazuto Suzuki (@KS_1013) 2017年10月24日
君が代日の丸(国旗国歌)強制は「強制できる権力」を握るための道具です。セールスマンのフット・イン・ザ・ドアです。愛国心とは全く関係のないものです。これによって実現したのが教育の統制と、その余波である黒髪強制です。
イギリスもアメリカも公立高校は荒れ放題 - Togetter
アメリカの公立は地価税が教育予算に充てられるので金持ち地区の公立教育は凄いことになる。反対にそうでないところは質が落ちる。だから成績を公表してお金持ちを呼び寄せることに熱心である。日本は競争してもお金は増えない。
http://mainichi.jp/select/news/20140215k0000m040186000c.html
うわ。怖い。大阪府立大学の獣医学部の初年度納付金が110万円にもなることを示し(下表参照)、低所得の家庭の子どもは大学に行けない状況になっていることを府のシングルマザー世帯の年収を例に指摘したことです。
石川府議は低所得の家庭にとっていかに高いかを明らかにするために、府の調査でシングルマザー世帯では年収200万円未満が61%にのぽることを示し、授業料減免枠の拡大を求めたのです。
これに対し松井知事は「獣医学部に行かれている方はほとんどシングルマザーで育てられた人なのか」と質問の趣旨をねじ曲げ、あげくに「石川委員の年収があれば十分払える。シングルマザーの人の年収をここで話されるのがよくわからない」と述べました。
低所得世帯の実態指摘に「印象操作」「分からない」/問われる松井知事の姿勢
今週のはてなブログランキング〔2017年10月第4週〕 - 週刊はてなブログ
生まれつき茶色い髪なのに、学校側が何度も黒染めを強要したのは違法だ――。大阪府立高校の女子生徒(18)が府を相手に起こした訴訟が、国内外で話題になっている。過去に学校側の頭髪指導を許容した司法判断もあるが、「行き過ぎ」との声が各方面から上がっている。
http://www.asahi.com/articles/ASKC95H8BKC9PTIL01V.html
「住吉市民」跡地に誘致の民間病院が撤退へ、大阪市3度目頓挫(2/2ページ) - 産経ニュース
http://www.mbs.jp/news/kansai/20171109/00000070.shtml
フィンランドの学生に『見た目に関しての校則』があるかとの質問をした所の回答に日本も見習うべき→更に様々な意見が集まる - Togetter
カバンまで一緒?就活女子がみんな同じ格好で怖い「闇深い」「就活ではよく見る光景」 - Togetter
神奈川県立神田高等学校 - Wikipedia
東京都立蒲田高等学校 - Wikipedia
損賠訴訟:「髪染め強要で不登校」高3、大阪府を提訴 | 毎日新聞
18日に大阪北部を襲った震度6弱の地震。大阪市の吉村洋文市長が地震後に「安全確保のため、全て休校にする指示を出した」とツイッターで発信し、通常どおり授業を始めていた学校で保護者から問い合わせが相次いでいたことが20日までに分かった。
https://this.kiji.is/382090578945229921
ええかっこしいの素人なのか? 維新らしい発表会経営とは言い得て妙だった。実績は数年後から十数年後にわかる。
指揮系統がおかしい。情報の正しさが担保されていない(振り込め詐欺と一緒で伝達者の正しさが担保されていない)。速さより正しさ。特に巨大な組織なので。あと現場に判断を投げては駄目。責任は教育委員会が取るために。
圧制下の学校とそうでないグーグル。
https://www.recruit-ms.co.jp/issue/column/0000000614/
諫言を排除。
https://news.yahoo.co.jp/articles/79461f6331a3338fd1ba6d1f219b5470dcf60af6
若手教員の授業を数値で評価へ 大阪市教委、子どもにはアンケート:朝日新聞デジタル
*1:http://www.asahi.com/articles/ASK4P4TZ6K4PUTIL01Q.html
*2:http://www.pref.osaka.lg.jp/kyoikusomu/handbook/data.html
*3:廃止か見直しか? 再評価を迫られる学校選択制 | リセマム
*4:下着は白のみ、日焼け止めは禁止…学校で増える「ソフトな管理主義」とリスクを見ない矛盾 - 弁護士ドットコム
*8:小中学生の留年、橋下市長が検討指示 教委は慎重 - 日本経済新聞
*9:http://www.iza.ne.jp/kiji/events/news/140731/evt14073110160013-n1.html
*10:大阪市公募校長下の中学校に子どもを通わせるとある保護者の述懐 - Togetter
*11:大阪市立小中学校:教頭10人足りない! 急きょ昇任試験 - 毎日新聞
*12:https://twitter.com/levinassien/status/360921043923243010