素人を売りにする
握手券のAKB商法は別の話で、人気が坂道に行ったという話も別。それは表層の話である。
ここでの話は素人がウケるということである。今の素人はユーチューバー(YOUTUBER)。
「素人が受ける」という売れる文法を秋元康ははっきりと認識している。
かねてから秋元康は、「K-POPがプロ野球だとしたら、AKB48は高校野球」といった趣旨の発言を各所で繰り返してきた(たとえば、秋元康×田原総一朗『AKB48の戦略! 秋元康の仕事術』2013年/アスコム等)。
総選挙中止から見るAKB48の曲がり角──AKB商法の機能不全、「パンドラの箱」だったK-POP進出(松谷創一郎) - 個人 - Yahoo!ニュース
直接的でも間接的でも日本の芸能を知っていれば、日本の芸能は素人文化(村上龍が言ったらしい)である。未熟な子供に演技をさせて(例えば歌舞伎役者の子供)喜ぶ変○ということである。決して上達しない。上達するのは素人っぽさである。「成熟が罪である」と言ったのはアイドル評論家宇多丸師匠。
かつて上岡龍太郎がテレビのお笑いは素人が受けると断言した。氏が素人芸のチャンピオンとして上げていたのが、明石家さんまと笑福亭鶴瓶である。お笑いは洗練されない方に努力しているのである。ちなみに舞台とテレビは両立しないとも。
そう言えば阿佐ヶ谷姉妹の渡辺江里子も本気で歌うとひかれると言っていた(中居正広の番組)。
ではプロはどうするか。私生活を見せるのである(ドキュメント)。それか異業種に行く。俳優がバラエティ番組にでる(「元気が出るテレビ」の松方弘樹)。歌手がバラエティの司会をやる(「アッコにおまかせ」の和田アキ子)。芸人が司会をする(「仮装大賞」の萩本欽一)。ここではプロがみんな素人になれる。デーブ・スペクターが「素人がテレビに出られるから、自分も出られる」言っていたと思う。
韓国も含め海外と日本は文脈が違うのである。文脈が違えば売れない。これはかつて村上隆が海外アートには文脈があると言って、それに合わせて作らないと売れないと言っていたこと通じる。
落書きにしか見えないバンクシーも文脈として売れているのだと思う。日本産で海外に売れるものは構造しかないと言ったのが大塚英志だったが、代表として村上春樹と宮崎駿を上げていた。
最初の話に戻ると、AKBは素人感、ライブ感(コンサートのライブではなくリアルタイム感)、ドキュメンタリー感である。
そのものを商品化する商才。
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結論
素人を 愛でる文化が 日本人
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メタルは北欧文化。