小泉進次郎がなぜ首相に適任なのか。毛並みが良いからか、優れた政策を持っているからか、人寄パンダだからか、TVスター的女性を娶ったからか、子分が多いからか、金を配るのが上手いからか。誰からも説明がない。唯一TVの視聴率が稼げることか。エンタメ社会の象徴で、第二の田中真紀子のようだ。
— 舛添要一 (@MasuzoeYoichi) August 9, 2019
これは本質を突いている。今の選挙は実質首相選びで、選挙の顔がすべて。つまり選挙に勝ている顔で無いと首相の価値がない。野党候補はすべてこれに失敗している。
もっと失敗していることは統一候補ができないこと。小選挙区制のルール上相乗り上等ではないと勝てない。相乗りすると今度は支持者が離れる可能性があるため前門の虎後門の狼になる。
中選挙区制時代は、党首の人気・不人気に関わらず、候補は自分の後援会や支持組織をガッチリ押さえておくことで当選できたが、小選挙区選挙においては、政党と党首の人気が各候補の命運を大きく左右するようになった(この傾向については、2009年の筆者の論文“Has the Electoral System Reform Made Japanese Elections Party-Centered?”を参照されたい)。その環境下では、各議員は自分の党首の人気に敏感にならざるをえない。英国で1990年にサッチャー首相が党内の反乱によって退陣を余儀なくされたのと同じ仕組みである。
売れている雰囲気で売る本が非難されたがあれと同じ。商品そのものよりも包装紙をよくすることに最適化されている。最適化されないと売れない。
選挙も同じで総理総裁が選挙に勝てる顔である必要があるから、顔が良い政治家として次の候補ということになる(顔が良いはイケメンというより大衆受けする顔)。
実はこれの逆作用で首相の独裁制が強まる。安倍総理がすごいのでは無く、仕組みとして(安倍に限らず)総理自身に権力が集中する方向になっている。その根拠は一つは憲法。もう一つが選挙。この二つを理解しないとアベ政治は許されてしまう。
日本の首相はアメリカの大統領より権力がある。
参考文献