geopoliticsさんの日記(無回転思考)

はてなダイアリーから引っ越し中

新型コロナウイルスで「失敗」した人びと 情報と兵站

「正しい判断」とは、必ずしも「未来を正しく予測する」ことではなく、いくつかの未来予測のシナリオがあった時に、どのシナリオが来た時でも破局的な結果にならない、最悪のシナリオを免れるために手を打つことです。

【岩田健太郎医師「感染爆発を押さえた西浦博先生の『本当の貢献』とは」【緊急連載】】 | BEST T!MESコラム

 

兵站と情報

失敗した人の典型は兵站を無視したこと。もう一つは情報の扱い方が下手だった。

兵站

兵站は戦力及び補給くらいの意味です。

  • 保健所も含めもともと兵隊の数は少なかった(だから戦力投入は的を絞った)
  • 兵力・装備はすぐに増やせない(リードタイムある。今回は3ヶ月くらいでマスクが出回った)

何々すればというのは言うは易く行うは難しで、現場の経験がない人の発言です。

物は簡単に増えない。人は簡単に増えない。人は簡単にできるように(=戦力化)ならない。韓国は10年前から対策をしていてなおかつ効率的に情報(追跡)と人(事実上徴兵)を集められる

この事が分かってないと判断が狂います。テレビやネットではこの認識がある・なしで、意見が分かれていました。ない人はほぼ間違いなく陰謀論になっていました。 政府は意図的に検査を抑えていると。

五輪前でインセンティブが無いわけではないですが、現実に保健所が3割も減っている状況を加味しない判断はありえない。さらに公務員はずっと人手不足で、特に厚労省は残業100時間という霞が関でも不夜城と言われているところです。現時点で可能性は限りなく薄い。情報は複数持たないと正しくはならない。

例えば、

  • 疑わしい人を検査→誰がどこで? どのくらいのキャパがあるの?
  • 隔離→どの建物で? どうやって移動させるの?

これに答えられない。答えても上に上げた条件をクリアできない。ダイアモンドプリンス号の時、計算した人がいてバス60台は必要だった。その時の人員約4000人。

 療養先のホテルに入る際は専用の車で感染者を順次迎えに行くなど、一度に多数を受け入れづらい運用面の制約もある。感染者が隔離を拒否するケースも後を絶たない。「小さな子どもがいるので離れられない」「高齢者を介護している」などの家庭の事情が多いという。

1週間で家族全員感染…それでも自宅で療養するのはなぜ?:東京新聞 TOKYO Web

実際は建物はアパホテルが手を上げて数は揃えられました。あとは人をどうするかですね。一応医療が出来る人でないと無理な気がします(不明)。自衛隊医療班だって無限にいるわけではないので。

情報

新型コロナウイルスはモノの正体がわからない。よって手探りでやらざるを得ない。既知の情報でインフルエンザを想定していたような感じだった。

状況がリアルタイムで変わっているので、前提そのものを変えていく必要がある。それを分かった無い人も多い。

失敗した理由~政府が嘘をついているという虚構~

政府は腐敗して嘘をついているという前提でものを考える。そうすると全て狂ってくる。政府は灰色で黒でも白でもないまだら模様である。だから白の部分を選び出せばある程度見てくる。ただしここは専門知識が要る。安い二項対立は正しくない。

間違える二項対立の例
ジョージア大のカス・ミュデ准教授とチリのディエゴ・ポルタレス大のクリストバル・ロビラ・カルトワッセル准教授の共著『ポピュリズム』(白水社)に基づいている。
 
 彼らはポピュリズムを「社会が究極的に『汚れなき人民』対『腐敗したエリート』という敵対する二つの同質的な陣営に分かれると考え、政治とは人民の一般意志(ヴォロンテ・ジェネラール)の表現であるべきだと論じる、中心の薄弱なイデオロギー」と定義している。

 

 

追記

抗体はなかった模様。

新型コロナ抗体保有割合 東京0.1% 大半が抗体保有せず 厚労省 | NHKニュース

 

東京都の人口から言うと14,000人感染していて、検査の陽性者が5,592人だから2.5倍感染者がいたことになる。抗体検査は交叉があって大目に出ることを勘案すると、かなり検査で追えてたんだな。

[B! COVID-19] 新型コロナ抗体保有割合 東京0.1% 大半が抗体保有せず 厚労省 | NHKニュース

 

被験者1971名中、2名陽性ということは、母比率の95%信頼区間0.012-0.37%、都の人口を単純に乗じると推定保有人口1700-51000人とかなり粗い推定なので要注意。

[B! COVID-19] 新型コロナ抗体保有割合 東京0.1% 大半が抗体保有せず 厚労省 | NHKニュース

 

 

他国の方法

韓国や台湾のやり方を正確に報道したところが少なかった。日本だと人権侵害と取られかねないやり方だった。政府が完全コントロール出来る情報を握っていた。日本では無理だと思う。

しかし韓国を見習えとか日本は駄目だとか言う人達がほぼ「人権侵害」を無視していた。

給付金の話も同じで、遅く役立たずなシステムにした理由は過剰にプライバシーを守ったためという話を一切していない。分かっている人はそこに切り込んでいる。

 

反対派は情報の取り扱いが下手

反対派はこれをやった。

ですから検査の結果、あとから「やっぱり心筋梗塞じゃありませんでした」となったときに、「じゃあなんで入院させたんだ!」って怒り出すのは間違った考え方ですよね。

【岩田健太郎医師「感染爆発を押さえた西浦博先生の『本当の貢献』とは」【緊急連載】】 | BEST T!MESコラム

 

詳しい話

 

さらに言えば、普通は未来の予測をする場合は、最悪のシナリオを想定して、「そうならないようにしましょう」と警告を立てるのが定石です。だから「いいほうの数字で計算すればもっといい話になっていたはずだ」みたいなのはまったく間違った考え方で、プロっていうのは普通は、「悪いほうのシナリオ」で想定を立てて対策を打ち、「そうならなくてよかったね」という状況に持っていくわけです。

【岩田健太郎医師「感染爆発を押さえた西浦博先生の『本当の貢献』とは」【緊急連載】】 | BEST T!MESコラム

マインドセットが反政府なので、やることなすことケチを付けるという方向に行くので、 正しく情報を扱えない状態になる。日常的には正しいけど、理系の専門家がいる領域に踏み込むと怪我をする。

 

情報なき国家の悲劇 大本営参謀の情報戦記 (文春文庫)
 

 

 

 

結論 反対派は部分しか見ていない

新型コロナウイルス前に戦争体験記をいくつか読んでいた。そこでは軍隊という特殊な中での話だと思ったが、現実は一市民も同じであった。組織は人で出来ている。その人の質が組織のあり方を決める。今回はそれが体験できた。日本人は情報も兵站も無視する。

 

宗教問題 30:新型コロナウイルスと宗教

宗教問題 30:新型コロナウイルスと宗教

  • 発売日: 2020/05/31
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

 

 

新型コロナウイルスの真実 (ベスト新書)

新型コロナウイルスの真実 (ベスト新書)