海外は山を高くする。日本は山を低くする。
日本式陶片追放
日本は昔から中央に何もない。かつてそれを「日本の中心は空っぽ」と表現した政治家がいた。
ユング派の学者としてこれを指摘した人は河合隼雄である。日本の神話分析から日本は中央が空っぽであることを発見した。
中心を持たないので臨機応変に対応できるが原理原則が疎かになる。では中央に入ろうとするとどうなるか。排除されるのである。
彼女は「権力者」になろうとした
この仮設を前提にする。
大坂なおみはこの中央部に無自覚に入ろうとした。日本人はこれを排除しようとした。このの反応は正しい免疫構造である。
影響力がある人が何か言うと影響される人が出てくる。スポーツ選手自身が中央部を作る。よって中央に入ってきた異物を排除しようとする免疫機能が働く。
本人に意識がなくとも権力闘争を仕掛けたので周囲の権力に敏感な人が全力で足を引っ張った。中央部への進出を阻止しようとする。
同じことをして嫌われているのが安倍総理である。長く中央部にいると嫌われる。感情的に排除しようとする。優秀な田中角栄は官邸ではなく、目白のお屋敷から指示を出した。キングメーカーと言われる院政を敷いた。自分も一度総理をやっているけど。
出来る大人の政治的配慮は「院政」
日本人を長くやっていれば、プロ野球のトップは日本プロ野球機構のコミッショナーではなくナベツネだと知っている。じゃあ彼はそのの椅子に座っているのか?
日本の組織ではトップは飾りの場合が多く、実質はその下の番頭や老中たちが握っている。つまり権力の中心は空っぽで、中心にいる人は名誉職である。
日本の天皇も実質平安中頃から名誉職らしく日本史の教科書は藤原氏と源平だけで書かれている。
日本だけの文化ではない
古代ギリシャは平等を貫くため、人気者を排除する。世界史の教科書に必ず載っている陶片追放がこれである。
まとめ~えらそーなやつはボケ役~
実るほど頭を垂れる稲穂かな
補足:権力に(反)権力を当てる~反権力という中和作用~
日本の古い権力者に新しい権力者をぶつけて実質無力化を図る。これも日本式である。日本人は新しいヒーローが古い権力者を倒す構造を欲している。これで中和を図る。だから日本のメディアは古い権力者(実質いないけど)を倒すためのに、新しい権力者(反権力)を持ち上げる。その場合、祭り上げられる人はマイノリティになる。例えば女性など。
そしてそれは論理的ではなく論理は後付けである。
参考文献
日本人論の定番を一冊にまとめた解説書。中空の構造もこの中にある。
日本人は中央を持たない構造であることを説明した本。
独立した部分組織なので横のつながりがない。例えば野球は各種団体があって統合する野球連盟のような組織がない(一時あったらしいが今は解散した)。並列して野球組織が存立している。