お笑いはマニアが多いので評論はそっちに任せて印象論になります。
ダウンタウンは師匠のいない芸人の第一期世代(NSC)でかつ最も成功したコンビです。
冷笑文化~松本人志の功罪~
松本人志は情熱があるが芸風がそうではないため、誤解されてフォロワー(素人含む)に真似される。
今の政治の論客。論点ずらし、ストローマン論法系のコメンテーターは松本のフリートークの影響がある。それは自分も一緒。
長年見てきたものの影響から逃れられないんだと思う。
松本人志と中田敦彦の対立
松本人志以降の芸人が真似をして席巻してしまった。中田敦彦は反抗したが上手くいかなかった。
本人の引退が芸風を終わらせることになるのは確かに正しい。本人は良くも悪くも教祖になってしまった。
- 教祖を理解しない幹部は組織としてはよくあることらしく、「ライフ・オブ・ブライアン」で教祖とその周りの齟齬が描かれているとは映画評論家の話である。
- 真似は表面上しか出来ない。表面上の理解なので中身が真似られない。わかってやるのがものまね芸人である。松村邦洋はそれでも憑依芸として完成されている。
真似される初めの芸人は萩本欽一で彼の芸風はテレビ向けに狙ってやっている。しかし欽ちゃんファミリーはそうではなかった。憧れて芸人になった人は表面上しか真似できなかった。憧れて芸人になったイジリー岡田はそれで苦労した。エロネタ嫌いがエロネタをやってしかも人気者になってしまった。萩本欽一が下ネタを使わなかったのはファミリー層を狙ったからである。当時高視聴率を取るにはこれが必須だった。
真似しやすさという毒
芸風が素人に真似しやすいという着眼点が素晴らしいです。誤解されて広まるのも真似の一種ですね。
サッカーでロナウドとロナウジーニョというブラジル代表の選手がいました。誰が言ったかはわかりませんが、真似られるのがロナウジーニョで真似できないのがロナウドだそうです。
真似しやすい。というのが大事だったのかな。とも思います。
当時まっちゃんの大ファンの方々は男女問わず「空気読めよ」「さっぶーい」が口癖で上からダサい奴寒い奴空気読めてない奴を探し出してこき下ろす笑いしか理解出来なかった人達が多かったように思います。
これマネしやすいんですよ面白いか否かは置いてもいわゆる素人同士の会話の中の「空気」「寒い」もただの主観でしかないですから。大声上げてる方についておけばいい。何か構造を発明する必要も新しい視点を見つけるための監察やらモノの見方自体を疑う「思索」も要らない。
当のダウンタウン自身には発明も視点も施策も必要だったでしょうがフォロワーにはそれは必要とされない。
ギャグ全般はマネしやすい。流行ってるというだけで価値が生まれる側面があるように思います。
お笑いに本気だけど本気に見えない芸風
松本人志は決して冷笑系ではない。彼はお笑いに本気だった。だから野球中継で自分の番組がカットされたときに、怒って番組を打ち切りにしました。
フジテレビで放送されていたお笑いバラエティー番組「ダウンタウンのごっつええ感じ」(1997年11月終了)が突然終了した経緯を語った。
https://www.sanspo.com/article/20210626-LNWYSFZFIVDSXOSQYASPMGXOAE/
だけど素人は表面上冷笑に見える。
理由はたぶん彼の教養の否定がある。教養、つまり蓄積のない人にとっては簡単にマウントが取れる。取れてしまうゆえに使い勝手がいい。
知識がなくても冷笑すれば自分の優位性を示せるから
重い大人から軽薄なオトナへの転換していった。その最たるものがフジテレビです。
蓄積文化とその反抗
松本人志に教養がないは以前から言われている。ないというより否定しているというのがある。ただお笑いの教養はある。そのお笑いを否定して成り上がったので表面上はそう見える。問題は専門以外である。
映画を撮って不評だったのはそのあたりである。北野武はインテリである。兄貴が大学教授だったようにインテリの家系である。大阪の尼崎市と東京の足立区だが実は違うのである。
教養というか蓄積が要求される映画で素人が乗り込んでも太刀打ちできない。テレビと映画は違う。それでも最近はテレビ映画になっているがやはり映画はテレビとは少し違う。
このあたりを上手く付いているのが西村博之(ひろゆき)で、「あなたの感想ですよね」である。素人かどうかを判断するという技術が炸裂している。こうなった理由は萩本欽一以来の素人がテレビに出ているというものの延長である。それプラス松本人志の芸風を真似た人のそれっぽく言える芸(ボケ)が今のテレビを作っているからである。ちなみにテレビ局側のいい大人がこれをやって、ハンセン病患者団体から抗議が来たのがコロナ禍の時である。疫病は専門領域でかつ人権問題の領域なので遊びで言える話ではない。
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