「自分の頭で考える」の弱点

 

初心者は教科書を選べない

かつて落合博満はプロは見本にならないと言った。落合の神主打法イチロー振り子打法は天才がやって初めて物になる。素人、特に少年野球が真似してはいけない。まねするなら広島の前田智徳と言っている。

これがプロが選定する意味である。プロが選定したものが教科書になる。

選択は実はかなり難しい作業である。当時最強だった将棋ソフトが全選択肢を計算していた(通常、計算コストを減らすため全部を計算しない)。理由は選択肢を削る作業が思ったより難しかったからだ。

 

 

受験界で有名なこの本もはっきり言って東大に行けるレベルがある人向けである。素人が手を出すと日本語さえ理解できない。そういうものが良書として普通に流通している。

 

ビジュアル英文解釈 (Part1) (駿台レクチャーシリーズ)
 

入門以前

 

英文法入門10題ドリル (駿台受験シリーズ)

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  • 作者:田中 健一
  • 発売日: 2019/03/01
  • メディア: 単行本
 

 

「自分の頭で考える」の真の意味

ものすごく簡単で私の新しいお経を買えと言うことである。今あるお経は古いとか良くないという理屈をつけて捨てさせるのである。捨てて初めて買ってもらえる。

教科書とは

教科書は常に更新される。有名な経済学の教科書も何年かおきに新理論を入れて書き換えられてきた。さらにそれを踏まえた新しい教科書も書かれている。それが新しいスタンダードになる。踏まえることと否定することは違う。自分の意見を上乗せすることが踏まえるである。これが西洋のやり方である。だから大抵後ろに文献一覧が付く。

常識を疑うは難しい

常識を疑うとは将棋の羽生さんが言っていたことだが(「定跡は絶対ではないと思った方がいい」)、これが羽生さんだから出来ることであって、素人は常識から(将棋は定跡)始めるのが近道である。

常識の改良くらいがいい。そうやって発展したのが西洋(哲学・科学分野)である。そのためには常識はなぜ正しいのかを説明できないとならない。かなり難しい話になる。素人が登る山はハイキングコースがちょうど良い。それでも遭難するけれど。

geopolitics.hatenadiary.com

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落合博満 バッティングの理屈―――三冠王が考え抜いた「野球の基本」

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  • 作者:落合 博満
  • 発売日: 2015/07/03
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

独学大全 絶対に「学ぶこと」をあきらめたくない人のための55の技法

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  • 作者:読書猿
  • 発売日: 2020/09/29
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)