計算は出来るが意味は分からないという現象

 

古くて新しい問題

「数学ゾンビだ…」分数の約分の問題は完璧に解ける息子さん、意味を理解しないまま計算してたことがわかった時の話 - Togetter

数学的ゾンビは意外と多いのでは

これは昔から言われていて、試験は計算力を問われるので、意味まではわからなくても大学まで行ける。

この本にある東大数学科の話に書かれている。

怠け数学者の記 (岩波現代文庫)

怠け数学者の記 (岩波現代文庫)

  • 作者:小平 邦彦
  • 発売日: 2000/08/17
  • メディア: 文庫
 

原因は時間と学習量のバランス

じゃあなんで計算力の試験になっているかというと、理由は試験の難易度が上がっているからである。人気が出ると難問化して、事前準備が重要になる。そうなると試験テクニックが重要になる。結果、理解の部分を取りあえず脇に置いて解けるように訓練することになる。実際これで解けて合格できる(特に中高一貫校の試験)。だから受検技術競技会になる。もちろん私立は受験エリートを排除しようと試験問題を作るのだが。

さらに試験の低年齢化(中学受験)に伴い、「理解の試験」から「(理解していなくとも)解ける試験」に変わっている。量が多いため学習進度が速いのでとにかく詰め込めるしかない。小学校レベルなら暗記した方が速い。

150.コンクール弾き | 大野眞嗣 ロシアピアニズムをつぶやく

さらに小学生段階だと意味の理解は難しい。だから機械的に解ける方を訓練する意味があると思う。その後意味を知る機会があれば手の訓練が生きてくる。もし理解させるなら、やるべき範囲を減らさないとならない。時間的コストを考えると習うより慣れろになる。

理解では始まらない

では「理解」すればいいかというとそうでもない。数学の学び方(上記の本にあったはず。証明問題の部分)にあるように慣れの部分がどうしてもある。だから最初は慣れることから始めるしかない。蓄積があるとあとで数学の本を読んだときにそういう意味だったのかということが起きる。ただし本人の自主性に任されているので運の要素が高くなる。

【わかる】数学、教科書に意味不明なこと書いてあって試行錯誤した末にようやく理解した内容が教科書にそのまま書いてあるのクソムカつく - Togetter