日本は遅れているという嘘
世界史では西欧を中心に考えて、日本はその基準から遅れているという話になるが、世界は欧米中心ではない。実例を示したのがアフガニスタンである。
ヘンリー・キッシンジャー「アメリカはなぜアフガニスタンでの戦争に失敗したのか」(クーリエ・ジャポン) - Yahoo!ニュース
ヘンリー・キッシンジャー「アメリカはなぜアフガニスタンでの戦争に失敗したのか」 | アメリカとして合意の取れた、明確な目標が持てなかった | クーリエ・ジャポン
キッシンジャーの分析は単純明快で
アフガニスタンは決して近代国家ではない。近代国家の前提条件には、共通の義務感と権力の集中があるが、アフガニスタンにはこれらの要素が欠けている。
そして歴史的な説明も近代国家=西欧モデルとは違うと分析してる。
アフガニスタンという明確な実体は18世紀まで遡れるが、その社会を構成する人々は、権力の集中に対して常に激しく抵抗してきた。アフガニスタンには、決定的な影響力を持つ実力者が一族の部隊を取り仕切る封建的な構造が基本にあり、国内における政治的、特に軍事的統合については、民族や一族の方針に沿って進められてきた。
アフガンは部族主義である。よって行動も部族中心になる。
「アフガンの人々は自分たちのために戦おうとはしない」という現代のアメリカの議論は、歴史に裏付けられていない。彼らは一族のため、部族の自治のために、激しく戦ってきたのだ。
要するに親戚はいるが国民はいないのである。だから国民国家は成立しない。
このことを明確に指摘したフランス人がいる。彼は家族分析からその民族的資質を分類した。そして特に共産主義は家父長的権威主義的な部族に親和性があることを発見した。例として日本、中国、ロシア、東欧である。
この本。
簡易な説明で最初に読むならこれです。
日本は分権的な民族らしく、横のつながりはあまりない。コロナで理解するなら国の強権的な政策は排除しようとする。コロナ鎮圧に成功しているところは中央集権的な制度を持っている(ニュージーランドも中央集権的)。
逆に日本は地方分権が進んで中央は何も出来ない。北里柴三郎がかつて務めていた内務省(伝染病対策)も今はない(内務省→自治省→総務省)。
西欧モデルはある一定の地域でのみ成立するモデルであるということですね。